結婚の現実 4
普通、子どもはその全生活を家庭に依存する幼児期から小学校の低学年あたりまで、母親と密接な関係を持ちます。
しかしそれ以後は、その立脚点を家庭の外に移していき、やがて、家庭には、その充足と安定に必要な最小限の生活親制しか残さなくなります。
この時期は、幼児教育の発達や教育の社会化によって近年いっそう早められつつあります。
だが、子どもとの関係に自己の全生活の充実を求めて来た母親にとって、この現象を率直に認めることは容易ではありません。
「子どもが急に他人のようになった」「めし、かね、うるさい、としか言わなくなった」等の訴えが、だいたい中学一年前後の子どもを持つ母親たちからよく聞かされます。
そこで子どもの全発達過程へ、かつての密接な母子関係を平行移動させようという試みが始まります。
ここに保育ママから教育ママへの過熱現象が現われてきます。
しかし母子関係から分離し巣立っていく方向にある子どもたちは、必ずしも教育ママを歓迎していません。
遂には母親も育児にだけ生きがいを求めることを断念せざるを得なくなります。
ある月刊誌で、五四歳の美術教師が女性のレターフレソドを求めたところ、実に一千通の手紙が舞い込んだといわれます。
たしかに、育児が終了してからの母親の生きがいがないとだめですね。